5月から企業型確定拠出年金の脱退一時金受給要件が見直されています

◆脱退一時金とは?
確定拠出年金(以下、「DC」という)は、原則60歳まで掛金を積み立てて老齢給付金を受け取ります。そして、離転職時には年金資産を持ち運ぶことができます。例外として、年金資産が一定額以下の場合に60歳未満での引出しが認められる場合があり、その際に受け取るのが脱退一時金です。

◆企業型DCの脱退一時金の受給要件の見直し
これまで、資産が15,000円を超える人は他の企業型DCやiDeCoなどに資産を移換する必要があり、iDeCoに資産を移換した場合に、iDeCoの脱退一時金の受給要件を満たせばiDeCoの脱退一時金を受け取ることができました。
2022年5月からこの受給要件が見直され、15,000円を超える人も、iDeCoの脱退一時金の受給要件を満たせばiDeCoに資産を移換しなくても企業型DCの脱退一時金を受給できるようになっています。
ちなみに、iDeCoの脱退一時金の受給要件は、国民年金被保険者となることができない人で、通算掛金拠出期間が5年以下であることや資産額が25万円以下であること等です。

◆改正事項はほかにも
5月から企業型DCに加入できる年齢が拡大され、厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入できるようになっています(会社が規約で加入者資格を「60歳未満」、「65歳未満」等定めることは可能)。iDeCoでも、60歳以上の人が国民年金の第2号被保険者または国民年金の任意加入被保険者であれば加入できるよう拡大されています。
DCには税制優遇制度があり、有利に老後の生活資金準備ができるため、会社の退職金制度として導入するところが増えています。一度検討してみてはいかがでしょうか。

【厚生労働省「iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直し(2021年4月1日施行)」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html#20210401