「インボイス制度」への対応~東京商工リサーチの調査より

2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。
インボイス制度では、事前に登録した事業者のみが適格請求書(インボイス)を発行できます。売主は買主から要求されるとインボイスの交付が必要になり、その写しを保存する義務があります。買主は交付されたインボイスを保存しておき、仕入税額控除の申請に活用します。
東京商工リサーチは8月1日~9日に、「インボイス制度」についての企業向けアンケート調査を実施しました。

◆「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」についてご存じですか?
インボイス制度を「知らない」と回答した企業は7.5%(6,441社中、483社)にとどまり、「よく知っている」19.5%(1,257社)、「大体知っている」49.0%(3,158社)、「少し知っている」23.9%(1,543社)を合わせた「知っている」は92.5%に達しました。
規模別では、「知らない」は、大企業が6.2%(988社中、62社)、中小企業が7.7%(5,453社中、421社)で、規模を問わずインボイス制度の認識は広がっています。

◆インボイス制度導入後、免税事業者との取引はどうする方針ですか?
インボイス制度の導入後、免税事業者との取引について、「これまで通り」が41.2%(5,292社中2,181社)と4割超を占めました。一方、「免税事業者とは取引しない」は9.8%(523社)、「取引価格を引き下げる」は2.1%(115社)と、1割強(11.9%)が取引中止や取引価格の引下げ意向を示しています。
また、「検討中」は46.7%(2,473社)と、まだ半数近くは取引方針を迷っており、免税事業者への悪影響が広がる可能性もあります。

【東京商工リサーチ調査結果】
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220820_02.html