介護離職、支援制度利用の現状と対策の必要性

東京商工リサーチが行った「介護離職に関するアンケート」の結果によると、2023年8月までの1年間に介護離職が発生した企業は10.1%あったそうです。離職してしまった従業員の属性は、正社員が65.3%を占めています。
一般的には、50歳代から親の介護を担う必要が高まる傾向にあります。つまり、働き盛りの中堅以上の従業員が、介護のために離職してしまう可能性が高まるということです。

◆制度の利用状況

一方、同調査では、介護休業または介護休暇の利用状況についての結果も示されています。介護離職した従業員の半数以上(54.5%)が、介護休業または介護休暇を利用していなかったことがわかりました。
仕事と介護の両立支援をマニュアルなどで明文化している企業は50.2%あったとのことですので、従業員への制度周知や会社による利用の働きかけの不足、従業員が周囲に遠慮してしまい休暇が取りにくいといった状況がうかがえます。

◆育児・介護休業法の改正予定

2024年の通常国会で、育児・介護休業法の改正が予定されています。
従業員への介護に関する情報提供や制度選択の意向確認の義務化などが検討されているほか、休業制度の利用を促すための研修や相談窓口の設置を求めることも議論されるようです。

「介護のことは従業員個人の問題」という意識だったり、介護に限らずそもそも休暇が取りにくかったりというのでは人を採用できる会社にはなれない、という時代になっているようです。今後の法改正の動向も見ながら、従業員の介護離職による損失を防ぐ方策をしっかりと考えていきたいですね。

【東京商工リサーチ「介護離職に関するアンケート」調査】
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198090_1527.html